スクワットで股関節が痛くなるのはなぜ?まず知っておきたい原因
スクワットは下半身を効率よく鍛えられる代表的なトレーニングですが、「しゃがむと股関節が痛い」「運動後だけ違和感が出る」と悩む方も少なくありません。
「スクワットをすると股関節が痛くなるのはフォームが悪いから?」
「それとも股関節の病気なの?」
このように不安になる方もいるでしょう。
実際には、股関節へ負担が集中する原因は一つではないと言われています。筋肉の柔軟性や関節の動き、スクワットのフォーム、運動量など、さまざまな要素が重なることで痛みにつながる場合があります。また、まれに股関節そのものの病気が関係しているケースもあるため、痛みが続く場合は注意が必要です。
ここでは、スクワットで股関節が痛くなる主な原因について、一つずつわかりやすく見ていきましょう。

スクワットで股関節に負担がかかる仕組み
スクワットでは、しゃがんで立ち上がる動作を繰り返します。このとき股関節は体重を支えながら大きく曲げたり伸ばしたりするため、膝や足首と並んで大きな負担がかかる関節と言われています。
とくに深くしゃがむ動作では、股関節の可動域が広く使われます。筋力や柔軟性が十分であれば問題ないことが多いものの、体のバランスが崩れていると一部へ負担が集中しやすくなるそうです。
筋肉・腱の疲労や柔軟性不足
スクワットでは、お尻や太ももだけではなく、股関節周囲の筋肉や腱も大きく働いています。そのため、運動量が急に増えたり、筋肉が疲労して硬くなった状態だったりすると、股関節がスムーズに動きにくくなると言われています。
また、腸腰筋やお尻の筋肉、内転筋などの柔軟性が低下すると、関節の動きが制限され、違和感や痛みにつながる場合もあります。運動前後にストレッチを取り入れることが大切と考えられています。
フォームの崩れによる負担
スクワット中に膝が内側へ入ったり、腰が丸まったりすると、股関節へ余計な負担がかかることがあります。
「とにかく深くしゃがもう」と意識し過ぎると、フォームが崩れやすくなることも少なくありません。反対に、足幅やつま先の向きが自分の体に合っていないケースもあるそうです。
まずは回数や重さよりも、無理なく動けるフォームを身につけることが、股関節への負担を減らすポイントと言われています。
可動域不足やウォームアップ不足
いきなりスクワットを始めると、筋肉や関節が十分に準備できておらず、動き始めに負担が集中しやすいと言われています。
また、股関節そのものの可動域が狭い状態で無理に深くしゃがむと、関節前面や鼠径部に違和感を覚えることもあります。
運動前には軽いストレッチや動的ウォームアップを取り入れ、体を温めてからスクワットを行うことがおすすめとされています。
股関節の病気が隠れていることもある
痛みが一時的ではなく続いている場合や、歩くだけでも痛む場合には、筋肉の疲労だけではなく股関節の病気が関係している可能性もあると言われています。
例えば、股関節インピンジメント(FAI)や関節唇損傷、変形性股関節症などでは、スクワットをきっかけに痛みを自覚するケースも報告されています。
「休んでも変わらない」「股関節が引っかかる感じがする」「日常生活でも痛い」といった症状がある場合は、自己判断だけで続けず、専門家へ相談することが大切と考えられています。
スクワット中の股関節の痛みは場所によって原因が違う
スクワットで股関節が痛いといっても、痛みが出る場所は人によってさまざまです。
「前側が詰まる感じがする…」
「お尻の奥が痛いんだけど大丈夫?」
このように、痛みが出る場所によって負担がかかっている組織が異なる場合があると言われています。そのため、「股関節が痛い」というだけで判断するのではなく、どこが、どんなタイミングで痛むのかを確認することが大切です。
ここでは、痛みが出やすい場所ごとの特徴について紹介します。
股関節の前側が痛い場合
スクワット中に股関節の前側が詰まるように痛む場合は、腸腰筋など股関節の前面にある筋肉が硬くなっていたり、股関節の可動域が不足していたりすることが関係していると言われています。
また、深くしゃがみ過ぎたり、骨盤が後ろへ傾いた状態で動作を続けたりすると、股関節前面へ負担が集中することもあるそうです。
前側の違和感が続く場合は、無理に深くしゃがまず、フォームを見直すことが大切と考えられています。

股関節の外側が痛い場合
股関節の外側に痛みを感じる場合は、お尻の横にある中殿筋や大腿筋膜張筋などへ負担がかかっている可能性があると言われています。
スクワット中に左右どちらかへ体重が偏るクセがあると、外側の筋肉が頑張り過ぎてしまうことも少なくありません。
「片足だけ痛い」というケースでは、左右の筋力バランスや姿勢の違いが影響していることも考えられるため、一度フォームを確認してみるとよいでしょう。
股関節の内側(鼠径部)が痛い場合
鼠径部に近い場所が痛む場合は、股関節そのものへ負担がかかっているケースもあると言われています。
筋肉の柔軟性不足だけでなく、股関節インピンジメント(FAI)や関節唇への負担などが関係することもあるため、違和感が長く続く場合は注意が必要です。
「しゃがんだ瞬間に鋭い痛みが出る」「引っかかる感じがする」という場合は、無理にスクワットを続けないことが大切と考えられています。
お尻側・後ろ側が痛い場合
股関節というより、お尻の奥が痛むケースでは、お尻の筋肉や股関節を支える深い筋肉が疲労していることがあると言われています。
また、体幹が安定していない状態でスクワットを繰り返すと、お尻側へ負担が集中しやすくなることもあるそうです。
さらに、腰からくる痛みがお尻へ広がって感じられるケースもあるため、症状が改善しない場合は専門家へ相談することがすすめられています。
動き始めだけ痛い・運動後に痛い場合の違い
「最初だけ痛いけれど動いているうちに楽になる」という場合は、筋肉や関節が十分に温まっていないことが関係していると言われています。
一方で、「運動が終わってから痛くなる」「翌日に痛みが強くなる」というケースでは、筋肉の疲労や使い過ぎが影響していることもあるそうです。
もちろん、どちらも必ず同じ原因とは限りません。痛みが強くなる、何日も続く、日常生活にも支障が出るようであれば、一度体の状態を確認してもらうことが安心につながると言われています。
スクワットで股関節を痛めないための正しいフォーム
スクワットはシンプルな動きに見えますが、フォームが少し崩れるだけでも股関節への負担が大きく変わると言われています。
「毎回スクワットをすると股関節が痛くなる…」
「筋トレを続けたいけれど、これ以上悪化させたくない」
そんなときは、まずフォームを見直してみることが大切です。回数や重さを増やすことよりも、体に負担の少ない動きを身につけるほうが、長くトレーニングを続けやすいと考えられています。
ここでは、股関節を守りながらスクワットを行うためのポイントを紹介します。
足幅・つま先の向きを確認する
スクワットでは、足幅やつま先の向きが自分の体に合っていないと、股関節へ余計な負担がかかることがあると言われています。
一般的には肩幅程度に足を開き、つま先はやや外側へ向ける方法が取り入れられることが多いようです。ただし、骨格や股関節の動きには個人差があるため、「この角度が正解」と決めつけることはできません。
違和感が出ない位置を探しながら行うことが、フォームづくりの第一歩と考えられています。
股関節から曲げる意識(ヒップヒンジ)
スクワットでは、膝から曲げるのではなく、お尻を後ろへ引きながら股関節から動かす「ヒップヒンジ」を意識すると、股関節や膝への負担を分散しやすいと言われています。
「椅子に座るようなイメージ」で動くと、お尻や太ももの筋肉を使いやすくなるそうです。
反対に、上半身だけが前へ倒れたり、腰だけを曲げたりすると、股関節へ負担が集中することもあるため注意しましょう。
膝とつま先の向きをそろえる
スクワット中に膝が内側へ入る動きは、股関節や膝へ余計なストレスがかかる原因の一つと言われています。
動作中は、膝とつま先が同じ方向を向くよう意識すると、体の軸が安定しやすくなるそうです。
「鏡でフォームを確認する」「スマートフォンで動画を撮影する」といった方法を取り入れると、自分では気付きにくいクセもわかりやすくなります。
無理に深くしゃがまない
「深くしゃがんだほうが効果が高い」と思われがちですが、股関節に違和感がある状態で無理に可動域を広げることはおすすめされていません。
痛みが出る手前までの範囲で動き、少しずつ可動域を広げていくほうが、安全に続けやすいと言われています。
しゃがむ深さよりも、フォームを崩さず動作を行うことが大切と考えられています。
重量・回数は段階的に増やす
スクワットを始めたばかりの方や、久しぶりに運動を再開する方は、いきなり高重量や高回数へ挑戦しないことが大切と言われています。
体が慣れていない状態では、筋肉だけでなく股関節にも大きな負担がかかることがあります。
「今日は少し余裕があるな」と感じられるくらいの負荷から始め、体の様子を見ながら段階的に増やしていく方法がおすすめとされています。焦らず続けることが、結果的に股関節の負担軽減にもつながると考えられています。
スクワットで股関節が痛いときの対処法と予防法
スクワット中に股関節が痛くなると、「少し我慢すれば慣れるかな」と考えてしまう方もいるかもしれません。しかし、痛みを我慢したまま運動を続けると、股関節への負担がさらに大きくなることがあると言われています。
「しばらく休んだほうがいいの?」
「いつからスクワットを再開しても大丈夫?」
そんな疑問を持つ方も多いでしょう。
大切なのは、痛みの状態に合わせて無理なく対応することです。ここでは、股関節に負担をかけにくい対処法と、再発を予防するためのポイントを紹介します。
痛みがあるときは無理に続けない
スクワット中に痛みを感じた場合は、「あと数回だけ」と無理をしないことが大切と言われています。
軽い違和感でも、そのまま続けることで筋肉や股関節へ負担が積み重なることがあります。
まずはスクワットを中止し、痛みが落ち着くか様子を見ましょう。日常生活でも強い痛みがある場合や、歩行に支障が出る場合は、自己判断だけで運動を再開しないことがすすめられています。
股関節周囲のストレッチを行う
股関節まわりの筋肉が硬くなると、スクワットの動きがスムーズに行いづらくなると言われています。
そのため、腸腰筋やお尻の筋肉、内ももの筋肉などを無理のない範囲でストレッチすると、股関節が動きやすくなることが期待されています。
ただし、ストレッチ中に痛みが強くなる場合は無理をせず、心地よく伸びる程度で行うことがポイントと考えられています。
お尻・体幹の筋力を鍛える
スクワットでは、股関節だけで体を支えているわけではありません。お尻や体幹の筋力が十分に働くことで、股関節への負担を分散しやすくなると言われています。
ヒップリフトやサイドプランクなど、股関節へ負担が少ないトレーニングから始める方法もおすすめされています。
焦ってスクワットだけを繰り返すよりも、土台となる筋力を少しずつ高めることが再発予防につながると考えられています。

ウォームアップとクールダウンを習慣にする
運動前後の準備を省いてしまう方は意外と多いものです。しかし、ウォームアップで体を温め、筋肉や関節を動かしておくことで、スクワット中の負担を軽減しやすいと言われています。
また、運動後に軽いストレッチや整理運動を取り入れることで、筋肉の緊張を和らげやすくなるそうです。
数分でも続ける習慣をつくることが、股関節を守るためには大切と考えられています。
再開するタイミングの判断基準
スクワットを再開するタイミングは、「痛みがなくなったからすぐに元どおり」という考え方ではなく、体の状態を確認しながら進めることが大切と言われています。
歩く、階段を上る、椅子から立ち上がるといった日常動作で違和感がなくなり、軽いスクワットでも痛みが出ないことを一つの目安とする考え方があります。
再開後は、回数や重量を以前のレベルまで一気に戻すのではなく、少ない負荷から段階的に増やしていくことが、股関節への負担を抑えるポイントと考えられています。
改善しない場合は要注意|病院へ行く目安と来院すべき科
スクワットによる股関節の痛みは、筋肉の疲労やフォームの崩れが原因で起こることも多いと言われています。一方で、痛みが長く続いたり、日常生活にも支障が出たりする場合は、筋肉以外に股関節そのもののトラブルが隠れている可能性もあるそうです。
「少し休めば改善するかな?」
「このまま様子を見ても大丈夫?」
このように迷う方もいるでしょう。
セルフケアで改善するケースもありますが、症状によっては早めに体の状態を確認してもらうことが大切と考えられています。ここでは、来院を検討したほうがよい症状や、考えられる病気について紹介します。
早めに病院を来院したほうがよい症状
スクワット後の軽い筋肉痛であれば数日で落ち着くこともありますが、次のような症状がある場合は注意が必要と言われています。
- 安静にしていても痛みが続く
- 歩行時にも強い痛みがある
- 股関節が引っかかる、ロックされるような感覚がある
- 腫れや熱感を伴っている
- 数週間セルフケアを続けても改善しない
これらの症状は筋肉の疲労だけでは説明できない場合もあるため、早めに専門家へ相談することがすすめられています。
スクワット時の股関節痛と関連することがある病気
スクワットで痛みが出る背景には、股関節インピンジメント(FAI)や股関節唇損傷、変形性股関節症などが関係していることもあると言われています。
そのほか、腸腰筋炎・腸腰筋腱炎や大転子部痛症候群、スポーツを続ける方では疲労骨折が原因となるケースも報告されています。
もちろん、痛みがあるからといって必ず病気とは限りません。しかし、違和感が長引く場合や症状が強くなる場合は、一度状態を確認してもらうことが安心につながると考えられています。
何科を来院すればよい?
スクワットによる股関節の痛みで相談する場合は、まず整形外科が一般的と言われています。
スポーツをしている方はスポーツ整形外科、慢性的な股関節の症状が続く場合は股関節専門外来を選択する方法もあります。また、運動指導や再発予防まで相談したい場合には、リハビリテーション科が対応しているケースもあるそうです。
どこへ相談すればよいか迷った場合は、まず整形外科へ相談し、必要に応じて専門外来を案内してもらう流れが一般的とされています。
病院で行われる主な検査
来院した際は、まず症状が出た状況や痛みの場所について問診が行われることが多いと言われています。その後、股関節の動きを確認する可動域検査や徒手検査を行い、必要に応じて画像検査が選択されることがあります。
骨の状態を確認するためにレントゲン検査、軟骨や関節唇、筋肉などを詳しく調べるためにMRI検査、筋肉や腱の状態を確認するために超音波検査が行われる場合もあります。
これらの検査を組み合わせることで、痛みの原因を総合的に確認していくと言われています。