①胸椎椎間関節症とは
背中の真ん中あたりが痛い、体をひねると違和感がある、このような症状で悩んでいる方は胸椎椎間関節症の可能性があると言われています。
胸椎椎間関節症とは、背骨を構成する胸椎の後方にある「椎間関節」に負担がかかり、炎症や機能低下が起こることで痛みが現れる状態を指します。
「ただの背中のこりかな?」と思われる方も少なくありません。しかし、姿勢の乱れや日常生活のクセが積み重なることで関節に負担がかかり、慢性的な背中の痛みにつながる場合もあると言われています。
ここでは、胸椎椎間関節症の特徴や発症する仕組み、なりやすい人の特徴について詳しく見ていきましょう。
胸椎椎間関節症の概要
まず胸椎とは、首と腰の間にある12個の背骨のことです。そして椎間関節は、それぞれの背骨同士をつなぐ関節の役割を担っています。
患者様から「背中がずっと張るんです」「肩甲骨の内側が痛いんです」というご相談を受けることがありますが、その原因の一つとして胸椎椎間関節症が関係している場合があると言われています。
この関節に負担がかかると炎症が起こり、背中の中央や肩甲骨周辺に痛みが出やすくなります。また、体を反らす動作やひねる動作で症状が強くなるケースも見られるようです。
胸椎椎間関節症が起こるメカニズム
では、なぜ胸椎椎間関節症が起こるのでしょうか。
大きな要因の一つとして、関節への繰り返しの負担が挙げられています。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用によって猫背姿勢が続くと、胸椎周辺の関節へストレスが蓄積しやすくなるようです。
すると関節周囲に炎症が起こり、背中の痛みや動かしにくさが現れる場合があります。
また、胸椎の動きが悪くなることで周囲の筋肉にも負担がかかり、さらに痛みを感じやすくなるとも考えられています。
発症しやすい人の特徴
胸椎椎間関節症は特定の人だけに起こるわけではありません。
例えば、デスクワーク中心の方や長時間同じ姿勢を続ける方は注意が必要と言われています。
また、猫背や巻き肩の姿勢が習慣化している方も胸椎への負担が増えやすい傾向があるようです。
そのほかにも、ゴルフや野球など体幹をひねる動作が多いスポーツを行う方にも見られることがあります。
「仕事柄ずっとパソコンを見ている」「気づくと背中が丸くなっている」という方は、一度姿勢を見直してみることも大切かもしれません。
胸椎椎間板ヘルニアとの違い
胸椎椎間関節症と混同されやすいものに胸椎椎間板ヘルニアがあります。
どちらも背中の痛みを引き起こしますが、発症する場所が異なります。
胸椎椎間関節症は椎間関節に問題が起こる状態である一方、胸椎椎間板ヘルニアは椎間板が突出して神経を圧迫する状態と言われています。
そのため、胸椎椎間板ヘルニアでは手足のしびれや神経症状を伴う場合がありますが、胸椎椎間関節症では局所的な背中の痛みが中心になることが多いようです。
ただし、症状だけで判断することは難しいため、強い痛みやしびれが続く場合は専門機関で相談することが大切と言われています。
②胸椎椎間関節症で現れる主な症状
胸椎椎間関節症になると、背中の中央付近や肩甲骨周辺に痛みが現れることがあると言われています。ただし、痛みの出方には個人差があり、「なんとなく重だるい」と感じる方もいれば、「動くたびにズキッとする」という方もいるようです。
患者様からも「肩こりだと思っていたら背中が原因だった」「湿布を貼ってもなかなか変わらない」といった声を聞くことがあります。
症状の特徴を知っておくことで、早めに体の変化に気づきやすくなるかもしれません。
背中や肩甲骨周辺の痛み
胸椎椎間関節症でよく見られるのが、背中の中央や肩甲骨の内側に現れる痛みです。
「背中の一点だけが痛いんです」「肩甲骨の奥が重たい感じがします」と表現される方も少なくありません。
特に長時間同じ姿勢を続けた後や仕事終わりに症状が強くなるケースがあると言われています。
また、関節周辺に炎症が起こることで、押した際に痛みを感じる場合もあるようです。筋肉のこりと似ているため見分けがつきにくいこともありますが、動作によって痛みが変化する場合は胸椎椎間関節症が関係している可能性も考えられています。
動作時に強くなる痛み
胸椎椎間関節症の特徴として、安静時よりも動作時に痛みが強くなる傾向があると言われています。
例えば、背中を反らせたときに痛みが出たり、体を左右にひねった際に違和感を覚えたりすることがあります。
「後ろを振り向く動作がつらい」「高い所の物を取ると痛い」というケースも見られるようです。
さらに、胸椎は肋骨とつながっているため、深呼吸をした際に背中へ痛みを感じる場合もあると言われています。呼吸のたびに違和感が出ると不安になりますが、胸椎周辺の関節が影響している可能性も考えられます。
朝起きたときや長時間同じ姿勢で悪化する理由
朝起きた直後に背中が固まったように感じる方もいるようです。
これは睡眠中に関節の動きが少なくなることで、一時的に硬さが出やすくなるためと考えられています。
また、長時間座り続けることで血流が低下し、胸椎周辺の筋肉や関節に負担が集中することもあるようです。
特に猫背や巻き肩の姿勢が続くと胸椎へのストレスが増え、痛みにつながる場合があると言われています。
「少し歩いたら楽になる」という方は、関節や筋肉の動きが関係している可能性も考えられます。
胸椎椎間関節症のセルフチェック
胸椎椎間関節症が疑われる場合は、日常動作の中で症状の変化を確認してみる方法があります。
例えば、背中を反らした時に痛みが出る、体をひねると違和感が強くなるといった特徴が見られることがあるようです。
また、姿勢を変えることで症状が軽減したり悪化したりするケースもあります。
さらに、咳やくしゃみをした際に背中へ響くような痛みを感じることもあると言われています。
ただし、これらの症状だけで原因を特定することは難しいため、痛みが長引く場合や日常生活に支障が出ている場合は専門機関へ相談することが大切とされています。
③胸椎椎間関節症の主な原因
胸椎椎間関節症は、突然発症するというよりも、日常生活の積み重ねによって少しずつ負担が蓄積し、痛みにつながるケースが多いと言われています。
「特にケガをした覚えはないのに背中が痛い」「気づいたら肩甲骨の内側がつらくなっていた」という方も少なくありません。
実際には姿勢のクセや仕事環境、加齢による変化、スポーツによる負担など、さまざまな要因が関係していると考えられています。
ここでは胸椎椎間関節症の主な原因について見ていきましょう。
猫背や巻き肩などの姿勢不良
胸椎椎間関節症の原因として、まず挙げられるのが猫背や巻き肩などの姿勢不良です。
デスクワーク中やスマートフォンを見ているとき、無意識に背中が丸くなっていませんか。
このような姿勢が続くと胸椎の自然な動きが制限され、椎間関節へ負担がかかりやすくなると言われています。
さらに、背中を支える筋肉が緊張した状態になるため、肩甲骨周辺の張り感や痛みにつながることもあるようです。
「姿勢が悪いだけだから大丈夫」と思われがちですが、長期間続くことで関節へのストレスが増加すると考えられています。
長時間のデスクワークやスマホ操作
近年増えている原因の一つが、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用です。
パソコン作業中は前傾姿勢になりやすく、胸椎を動かす機会が減ってしまいます。
すると関節の動きが少なくなり、徐々に可動域が低下していく場合があると言われています。
患者様からも「仕事中はほとんど座りっぱなしです」「スマホを見る時間が長いです」というお話をよく聞きます。
同じ姿勢が続くことで関節だけでなく周囲の筋肉にも負担がかかり、背中の違和感につながることがあるようです。
加齢による変化
年齢を重ねることも胸椎椎間関節症の一因になると言われています。
加齢に伴い関節軟骨は少しずつ摩耗しやすくなり、衝撃を吸収する機能が低下することがあるようです。
また、筋肉や靭帯の柔軟性も低下しやすくなるため、胸椎周辺の動きが硬くなる傾向が見られます。
もちろん年齢だけが原因ではありませんが、若い頃と同じような体の使い方を続けることで負担が蓄積する可能性も考えられています。
スポーツや仕事による負担
胸椎椎間関節症はスポーツや仕事による繰り返し動作とも関係していると言われています。
例えばゴルフや野球では体を大きくひねる動作が多く、胸椎に負担が集中する場合があります。
また、重量物を持ち上げる仕事や介護職なども背中への負荷が大きくなりやすいようです。
「運動しているから健康」というわけではなく、同じ動作を繰り返すことで関節にストレスが加わることもあると考えられています。
胸椎周囲の筋肉との関係
胸椎の動きには周囲の筋肉も深く関係しています。
代表的なものとして脊柱起立筋、菱形筋、広背筋などがあり、これらの筋肉が硬くなると胸椎の可動性が低下しやすくなると言われています。
さらに、姿勢を安定させるインナーマッスルの機能が低下すると、関節への負担が増える可能性もあるようです。
「背中の筋肉が張っているだけ」と感じていても、その背景には胸椎の動きの問題が隠れていることも考えられています。
④胸椎椎間関節症の改善方法
胸椎椎間関節症による背中の痛みは、関節だけでなく姿勢や筋肉の状態も関係していると言われています。
そのため、「痛い場所だけを何とかしよう」と考えるのではなく、普段の姿勢や体の使い方を見直していくことが大切とされています。
患者様からも「何をしたらいいですか?」「安静にした方がいいのでしょうか?」というご質問をいただくことがあります。
ここでは胸椎椎間関節症の改善を目指すために意識したいセルフケアや体づくりについて解説します。
まずは安静と負担軽減を意識する
痛みが強い時期は、まず胸椎への負担を減らすことが大切と言われています。
「少し痛いけど動かした方がいいかな」と無理をすると、関節への刺激が増えて症状が長引く可能性もあるようです。
特に背中を大きく反らす動作や急なひねり動作は避けた方がよいと考えられています。
ただし、ずっと動かさない状態も関節が硬くなる原因になるため、痛みの程度を見ながら日常生活を送ることが重要と言われています。
まずは無理をせず、体に負担をかけすぎないことを意識してみましょう。
姿勢改善が重要な理由
胸椎椎間関節症では姿勢改善が大切なポイントになると言われています。
特に猫背や巻き肩の状態が続くと、胸椎周辺の関節に負担が集中しやすくなるようです。
デスクワーク中は椅子に深く腰掛け、背もたれを活用しながら座ることが大切とされています。
また、モニターの高さや机の位置を調整することで前傾姿勢を防ぎやすくなる場合もあります。
「気づいたら背中が丸くなっている」という方は、1時間に一度立ち上がる習慣をつくることも役立つと言われています。
胸椎のストレッチ方法
胸椎の動きを維持するためにはストレッチも取り入れたいところです。
例えば、両手を後ろで組みながら胸を開くストレッチは、前かがみ姿勢で縮こまりやすい胸周辺を伸ばすためにおすすめと言われています。
また、椅子に座った状態で上半身を左右へ回旋させる胸椎回旋ストレッチも可動域の維持につながる可能性があります。
さらに肩甲骨を大きく動かすストレッチを行うことで、背中周辺の緊張緩和が期待できるとも考えられています。
無理のない範囲で継続することがポイントです。
筋力トレーニングで再発予防
症状が落ち着いてきたら再発予防のための筋力トレーニングも重要と言われています。
体幹の筋肉は背骨を支える役割があるため、プランクなどの運動が活用されることがあります。
また、肩甲骨周囲の筋肉を鍛えることで姿勢を維持しやすくなる場合もあるようです。
加えて、インナーマッスルを強化することで関節への負担軽減につながる可能性があると考えられています。
急に負荷を上げるのではなく、少しずつ継続することが大切とされています。
整体・リハビリで行われる施術
セルフケアだけでは改善が難しい場合、整体やリハビリで体の状態を確認する方法もあると言われています。
施術前には姿勢評価や動作確認を行い、どの部分に負担がかかっているかを確認することが一般的です。
その後、関節可動域の改善を目的とした施術や、筋肉の緊張緩和を目的としたアプローチが行われる場合があります。
また、自宅でも取り組める運動指導やストレッチ指導を受けることで、再発予防につながることも期待されているようです。
体の状態に合わせたケアを継続することが大切と言われています。
⑤病院受診が必要なケース
胸椎椎間関節症による背中の痛みは、姿勢の見直しやセルフケアによって軽減する場合があると言われています。しかし、中には別の病気が隠れているケースもあるため注意が必要です。
「しばらく様子を見れば大丈夫かな」と考えてしまう方もいますが、症状によっては早めに病院へ相談した方がよい場合もあるようです。
ここでは、病院へ行く目安や胸椎椎間関節症と似た症状が出る病気について解説します。
早めに病院を受診したほうがよい症状
胸椎椎間関節症が疑われる場合でも、安静にしていても改善しない痛みには注意が必要と言われています。
特に夜間に痛みで目が覚める、日に日に症状が強くなるといったケースでは別の原因が隠れている可能性も考えられます。
また、「背中だけではなく手足までしびれる」「力が入りにくい」という場合は神経が関係していることもあるようです。
さらに発熱や倦怠感など全身症状を伴う場合や、呼吸をするたびに強い痛みが出る場合も早めの相談が大切と言われています。
「いつもの肩こりかな」と自己判断せず、気になる症状が続く場合は病院へ相談してみましょう。
胸椎椎間関節症と似た症状が出る病気
背中の痛みは胸椎椎間関節症だけで起こるわけではありません。
例えば胸椎椎間板ヘルニアでは神経が圧迫されることでしびれを伴う場合があると言われています。
また、肋間神経痛では肋骨に沿って鋭い痛みが出ることがあり、症状が似ていることもあるようです。
そのほかにも胸椎圧迫骨折や帯状疱疹、筋筋膜性疼痛症候群などが原因となるケースも考えられています。
さらに、心臓や肺、消化器など内臓の不調が背中の痛みとして現れる関連痛もあると言われています。
症状だけで判断することは難しいため、違和感が続く場合は専門家へ相談することが大切です。
何科を受診すればよい?
背中の痛みがある場合、まずは整形外科へ相談するのが一般的と言われています。
整形外科では関節や骨、筋肉の状態を確認しながら原因を探っていきます。
また、症状が長引く場合や脊椎の問題が疑われる場合には脊椎専門外来を紹介されることもあるようです。
慢性的な痛みが続いている方はペインクリニックが選択肢になる場合もあります。
さらに、姿勢や動作改善を中心に進めたい場合にはリハビリテーション科で相談する方法もあると言われています。
病院で行われる主な検査
病院ではまず問診や触診を通して症状の経過や痛みの特徴を確認することが多いようです。
あわせて姿勢評価や動作確認を行い、どの動きで痛みが出るのかを確認していきます。
必要に応じてレントゲン検査やMRI検査、CT検査などが実施される場合もあります。
これらの検査によって骨や関節、神経の状態を詳しく確認できると言われています。
再発を防ぐために大切なこと
胸椎椎間関節症は、日常生活の習慣が影響する場合があると言われています。
そのため再発予防には正しい姿勢を意識することが大切です。
また、長時間同じ姿勢を続けないことや、適度な運動習慣を取り入れることも負担軽減につながる可能性があります。
ストレッチを継続しながら胸椎周辺の柔軟性を維持することも重要と考えられています。
「痛みがなくなったから終わり」ではなく、普段から体の状態を整えることが再発予防のポイントと言われています。